| 時期 |
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1893年、レベジン
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| 改訂 |
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| 第3曲 |
1940年2月24日 |
| 全曲 |
1940年（出版年） |
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| 献呈 |
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P.チャイコフスキーに（チャイコフスキーは初演前に亡くなった）
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| 初演 |
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1893年11月30日、モスクワ、ラフマニノフ＆パーヴェル・パブスト(Pfs)
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| メモ |
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【エピグラフについて】
各曲にはそれぞれエピグラフとして詩が添えられている。以下いずれも館長訳。 |
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第1曲
冷たい夜の波が
陽気なゴンドラの下でかすかにざわめき
…また歌が聞こえる、またギターの和音が聞こえる
…彼方から、ときには悲しげに、ときには楽しげに
いつもの舟歌の響きが広がる：
ゴンドラは水面を滑り
時は恋人達の上を駆け抜ける；
水面はふたたび静まり
情熱は決して戻らないのだ！
レールモントフ
第2曲
枝の陰でナイチンゲールが夢中でさえずるとき
愛の誓いが炎のように熱く響くとき
風のざわめきも波の音も音楽に満ちて聞こえる
バイロン
第3曲
人の涙よ、ああ、人の涙よ！
お前たちは朝も夜も流れる
お前たちは人知れず、ひっそりと
尽きることなく、無限に流れる
秋の夜長に降り続く雨のように
お前たちは流れるのだ
チュッチェフ
第4曲
重厚な響きが地上を走り
大気はうなりながら震えた
歌うような朗々たる轟きが
神聖な祭日を告げた
ホミャコーフ |
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| 【鐘の音について】 |
第3曲の主題はノヴゴロドの聖ソフィア寺院の鐘の音に基づいていて、これについてはRiesemannに次のような記述がある。
| 「生涯を通じて、私は喜びに震える鐘や悲しげにうめく鐘の様々な響きや雰囲気を愛してきました。この鐘を愛する心は全てのロシア人に生来のものです。私の幼い頃の思い出のうちで最も気に入っているものは、ノヴゴロドの聖ソフィア寺院の巨大な鐘の４つの音に関わっています。その鐘は祖母が正教会の祭日に私を街へ連れて行ってくれたときにしばしば耳にしたものです。鳴らし手は芸術家でした。４つの音は繰り返し現れる主題で、その朗々と響く４つの音は、それらの周りに織り成される、次々に移ろいゆく伴奏に包まれていました。何年も後に私は二台のピアノのための組曲（訳注：『幻想的絵画』作品5）を作曲しました。その曲は４つの楽章から成り、それぞれ詩をエピグラフとしているのですが、チュッチェフの詩をエピグラフとする第3楽章のために、私にはすぐに主題が思い浮かびました。こうしてノヴゴロドの寺院の鐘が再び歌うことになったのです。歌劇『吝嗇な騎士』でも、私は同じ主題を、男爵に自分と子供の助けを乞う不幸な召使の涙ぐましい懇願を表すために使いました。もし私が自分の作品の中で鐘を人間の感情と共に震わせることに成功しているとしたら、それは私が人生の大部分をモスクワの鐘の震えの中で過ごしたことのお陰でしょう。」 |
| （館長訳） |
第4曲はモスクワのクレムリンの鐘と、ロシア正教の聖歌「キリストは蘇り給いぬ」に基づいている。この曲の鐘のモチーフと同じものが、CD「ロシアの鐘」"Glocken
Russisch-Orthodoxer Kirchen"[Christophorus, CHR 4007]で聞かれる（モスクワの新聖処女修道院の復活祭の鐘）。また、聖歌「キリストは蘇り給いぬ」は、リムスキー＝コルサコフも序曲『ロシアの復活祭』で用いている。
第4曲について、ペテルブルクのベリャーエフ・サークルの集いにおいてラフマニノフがブルーメンフィールドと共にこの曲を披露した際のリムスキー＝コルサコフのコメントについて、Riesemannに次のような記述がある。
『幻想的絵画』、特にクレムリンの鐘が聖歌「キリストは蘇り給いぬ」を伴って鳴り続ける第4楽章は非常に好評だった。リムスキー＝コルサコフが、峻厳な学者然とした態度で、ラフマニノフの注意を最後のクライマックスに向けた。彼によれば、聖歌は最初は鐘の音なしで聞こえたほうが、より効果的だろうとのことだった。
「私は若者特有のプライドにより、この提案に全く同意しませんでした。」とラフマニノフは後に語っている。
「しかし今になって、リムスキー=コルサコフが完全に正しかったことに気付いています。」 |
| （館長訳） |
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| 【版の問題について】 |
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第4曲の第6〜8小節（鐘を表す低音域の和音が3回鳴る部分）は、初版のGutheil版では、第2ピアノの右手の声部記号がト音記号になっていて、C-G-A-Esという和音になっている。これに対し第2版のGutheil/Breitkopf版では、同じ音符の配置で、右手の声部記号もヘ音記号になっていて、したがってC-G-C-Gとなっている。現行版のブージー&ホークス版では第2版に従い、注として初版の情報も含めている。
この違いによる響きの差異は非常に大きいが、館長の個人的な好みとしては、初版のほうがより鐘の響きに近いため、好ましく思われる。下記の「録音」の項目に挙げたもののうちでは、エンゲラー＆マイセンベルクのみがC-G-C-Gで弾いている。 |
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| 楽譜 |
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| 録音 |
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